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第22回木質ボード部会シンポジウム参加メモ

10月4日、新木場木材会館にて日本木材加工協会の第22回木質ボード部会シンポジウムが開催されました。弊社も木質ボードメーカーの端くれなので参加してきました(笑)
記録しておかないとどんどん忘れるので、メモがわりにブログをアップします(^^;

最初の講演は、朝倉さん(北海道立総合研究機構林産試験場主査)による「木造住宅の温熱環境と木質ボード」です。

専門性の高いお話でしたが、合板や輸入OSB(オリエンティッド・ストランドボード=方向性木削片ボード)は比重の増大とともに透湿抵抗も増大すること、他方パーチクルボードやMDF(ミディアム・デンシティー・ファイバーボード=中比重繊維板)は概して透湿抵抗が低いというデータが印象に残りました。又、調湿性能という点では、MDFの性能が高く、OSBやパーチクルボードは低い、合板がその中間だそうです。
こうした材料特性を踏まえた、適材適所の利用が大事だということになりますが、さて、それらのいずれでもない弊社の国産RSB(ランダム・ストランドボード=無方向性木削片ボード)のデータは、どのあたりに位置するのか、気になるところです。今後の課題ですね。

次の講演は、森林総研の渋沢さんと青木さんによる、「構造用MDFとJIS規格について」でした。

この中で、MDFという材料が建築基準法や国交省告示に記載されておらず、その結果壁倍率の認定仕様がメーカー毎に異なる部分が多く、汎用性に欠ける状態にある、という指摘が印象的でした。
お話では、その解決をめざして、MDFのJIS規格化をめざす努力が加速しているとのこと、期待がふくらみますねー。

さて、次の講演は、WASS(木と建築で創造する共生社会研究センター)勉強会でご一緒することの多い赤羽さん(林野庁木材産業課課長補佐)の「木材利用ポイント事業について」でした。講演テーマに即した内容は、まあ当たり障りのないものと感じましたが(笑)、森林・林業再生に向けての赤羽さんの情熱はズンズンと伝わりました(^^;

要点の一つは、伊勢湾台風を契機にした昭和34年の建築学会での、都市部における事実上の木造建築禁止決議に始まる時代の流れと、平成22年の「公共建築物等の木材利用促進法」の施行を画期とするその50余年ぶりの転換についての指摘です。

もう一点は、林業(川上)→木材加工業(川中)→家具・建築等木材製品利用分野(川下)という固定観念を捨てて、林業・木材加工業を一体の産業として認識せよ、というアピールでした。別言すれば、
林業を木材加工と一体の「製造業」に変革せよ、という呼びかけだと受け止めました。

その後は、徳島県で活動されているエヌ・アンド・イー㈱さんの「MDFへの国産材利用について」という講演でした。

同じく国産材の用途開発をめざす先輩企業としての意欲とご苦労を、わが事として学ばせていただきました。

さて、第2部は、「国産材の利用促進と木質ボード」と題した話題提供とパネルディスカッション。
話題提供は、龍川さん(日本繊維板工業会専務理事)、恒次さん(森林総研木質構造居住環境研究室主任研究員)、WASS勉強会で顔なじみの小島さん(林野庁施工規格調整室室長)で、それぞれ「木質ボードの原料使用実態」、「京都議定書第2約束期間(2013年~2020年)におけるHWP(伐採木材製品=製材・木質パネル・紙)の取り扱いと木質ボード」、「国産材需要拡大に向けた民間レベルの取り組み:JAPIC(日本プロジェクト産業協議会)の取り組み紹介」というテーマで、沢山の貴重な情報をご提供いただきました。その詳細は又別の機会にお伝えしたいと思います。

コーディネーターを務められたのは、岩手大学農学部の関野教授です。

討論内容は多岐にわたりましたが、小島さんの「B材C材のサプライチェーンを新たに作り出そう」という指摘、恒次さんのわが国温暖化対策としての「国産材を利用した製材品・木質パネル・紙の量を、じわじわと長きにわたって増やしていくことの重要性」の指摘、が印象に残りました。
極め付きは、関野教授による「木材製品の新しい用途開発のためには、ニッチな市場への鋭い感覚が必要だ」とのご発言!僭越ながら、わが意を得たりと腑に落ちました(^^;

シンポジウム終了後、関野先生にごあいさつ。「日本にはOSB=方向性木削片ボード=産業がない」というご指摘について、けれども「微少ながらRSB=無方向性木削片ボード=産業が立ち上がりつつありますよ!」とお伝えしました(^^;
機会を見つけて、弊社にお立ち寄りいただけるとのご返事で、勇気百倍です!

ともあれ、静岡大学の鈴木先生をはじめ、木質ボード部会関係者のみなさまに感謝です。
素晴らしい学びの機会をありがとうございました。
                                              (角田 記)