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第4回WASSシンポジウム:木がつなぐ共生社会の創造

12月17日、東洋大学白山キャンパススカイホールで、WASS(東洋大学 木と建築で創造する共生社会研究センター)が主催する、第4回木の学校づくりシンポジウムが開かれました。
5年に及ぶWASS研究プロジェクトの最終年にあたる今回のテーマは、「木がつなぐ共生社会の創造~仮想流域の地域材による木の学校づくりを!~」です。

WASSは、「学校建築を主軸とした『木・共生学』の社会システムの構築と実践」をテーマとして、「『木』をとりまく様々な分野を横断的な思考で捉え、現在から未来にわたって持続可能な循環型、共生型地域の実現に寄与する建築ものづくりネットワークの創出」をめざして研究を重ねてきました。
その研究が、今回のテーマとなった「『地材地建』の理念を重視しつつ、狭い『地域』に捉われることなく、『山と町』、『地域と地域』、『人と人』が『木』を媒介とした物語でつながる全国ネットワークとしての『仮想流域』の実現」という提言に帰結したのです。

長澤悟センター長の基調報告で始まったシンポジウムは、WASS浦江准教授によるテーマ提出に続き、「木がつなぐ山と町の連携」をめざして市政実施中の岩手県遠野の本田市長、沖縄宮古島での木造建築を材工一体で実現した山形金山町森林組合の杉井参事、富山県で伝統工法の継承に尽力されている島崎棟梁からのプレゼンテーションを受けて、熱のこもった全体討論に移りました。

* 長澤悟センター長

花岡先生(森の贈り物研究会主宰)の司会のもと、岐阜東白川村でFSC認証材の加工・販売に取り組んでいる田口さん(〈㈱〉山共社長)、あきるの市で多摩産材の普及に力を注いでいる中嶋さん(中嶋材木店代表)、岩手県遠野の木工団地経営に携わる大里さん(遠野市林業振興室長)、WASS客員研究員の二国さん、有志として参加した林野庁の今泉さんと小島さん、秋田県立大学飯島教授、などなど、一騎当千のつわもの達が意見を戦わすなか、圧巻だったのは、自主参加された現職の林政審議会座長を務めておられる、岩手大学岡田教授の発言でした。氏は、「山と町の共生」とともに、
「人と自然の共生」の重要性を指摘され、その観点から貨幣経済の壁を乗り越える新しい経済社会の実現をめざすことを呼びかけられたのです。

会場後方では、遠野木工団地の皆さんによる新製品の展示が行われていました。当社で加工させていただいた岩手県産赤松ストランドボードも、掲示板やパーテーションとして晴れがまさげに披露されています(^^;

5年に及ぶ活動をしめくくるシンポジウムがこのように進行するなか、私はこの間のエスウッドの歩みを思い出していました。私がWASSと出会ったのは2009年の初夏でしたから、WASSスタートから数えて2年目ということになります。きっかけは、前年の2008年秋に開催された福井市立至民中学の公開研究会でした。この年の春に完成した同高の新校舎に沢山の桧エスウッドを使用していただいたご縁で、研究会に参加できたのですが、このとき、偶然にもWASS客員研究員を務める花岡先生と帝国器材㈱の高橋専務が研究会に参加されていて、至民中学を設計した顕塾の柳川先生から紹介していただいたのです。

思えば、この出会いがエスウッドのターニングポイントでした。花岡、高橋両氏が桧ストランドボードに
大きな関心を示されたことで、一週間後に帝国器材さんを訪問し、30分ほどのプレゼンをさせていただきました。ここから、今に至る帝国器材さんとのコラボレーションが始まりました。
つづいて、翌2009年にWASS勉強会に参加、それ以降長澤センター長をはじめとする沢山の皆さんとの交流が今に至っています。

至民中学での偶然の出会いからちょうど2年後の2010年秋、エスウッド製造ラインは突如フル稼働に入ります。事業開始から11年目のブレークスルーでした。
花岡先生、長澤先生をはじめとするWASSの皆さんとの出会いがなければ、今日のエスウッドは存在しなかったでしょう。
そう思うと、人の世の不思議なはからいに心が動かされます。
ともあれ、「木がつなぐ共生社会の創造」こそ、エスウッドプロジェクトの本願です。
どうぞ、私たちの今後の奮闘にご期待ください。    

(角田 記)