058-379-3023
カタログ・サンプル請求

犬好きの災難

根っからの犬好きですが、これは中ぐらいの大きさの雑種を飼っていたときのことです。

 いつものように犬を連れて近所の山の中の遊歩道を散歩していると、曲がり角で出くわしたのが白い中型の犬で、どこかの家から逃げ出してきたのか首輪は付いていましたが鎖がなく、白い犬はうちの犬を見かけるや吠えながら突進してきました。

うちの犬も臨戦態勢となり、鎖を千切れんばかりに引っ張ります。

 私は「鎖の先でケンカされては」と思い、鎖を引っ張り自分の傍らまで犬を手繰り寄せておいて、突進してきた白い犬に蹴るマネをしました。

 犬好きの私はよその犬といえども可哀そうで蹴ったりできません。何度か蹴るマネをしたら、白い犬は恐れをなしたのか逃げて行きました。

 

 私はすぐに道を引き返しましたが、10メートルも歩かないうちに犬の吠える声が聞こえ、振り向くとまた白い犬が突進してきます。

 「今度も同じように対処して」と思い鎖を手繰り寄せたのですが、今度は距離が詰まっており犬を手繰り寄せたときには白い犬はもう目の前で、今まさに2匹の犬が咬み合う寸前の状態でした。

 蹴るマネをすれば、そのまま蹴りこんでしまいそうな距離で躊躇しました。

 「なんとかケンカを止めねば!」

 私は必死になり、大声で「まったー!!」と言いながら、2匹の間に右足を割って入れたのです。

 瞬間、ものすごい痛みがきました。

 右足を見ると、白い犬がふくらはぎの真ん中あたりを、うちの犬が膝の上を、一度に2匹の犬が唸りながら咬みついているのです。

 

 犬というものは一度咬んだら気が済むものらしく、白い犬は走り去っていき、うちの犬も何事もなかったようにおとなしくなりました。

 静けさが戻った遊歩道には、脈打つ右足の痛みだけが残りました。

 家に帰り、咬まれたところを見てみると、くっきりと歯形がついていました。

 教訓です。

 犬のケンカの仲裁などするものではありません。