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ウッドマイルズフォーラム2009:森林・木材・家づくりの循環をめざして

6月27日の土曜日、東京浜松町で開催されたウッドマイルズフォーラム2009に行ってきました。現在全国木材連合会の常務理事でありウッドマイルズ研究会の代表運営委員でもある藤原敬さんや、今年の3月まで岐阜県立森林文化アカデミーの教授を勤められていた三澤文子さんとの旧交を暖めたいということもありましたが、事前の案内で紹介されていたフォーラムの内容に、強く惹かれるものを感じたのです。

ウッドマイルズ研究会や藤原さん・三澤さんとのおつきあいは、2003年6月の設立以前から細く長く続いていますが、熱心な会員というわけではありません。しかし、この10年間の木材と住宅をめぐる大きな状況の変化を通じて、ウッドマイルズというコンセプトの重要性は著しく増大してきたと感じています。

ちなみに、ウッドマイルズとは、住宅に使用される木材の産地から消費地までの輸送距離の指標で、住宅に使用された木材1m3あたりの平均輸送距離を示す言葉です(単位:Km)。したがって、その数字が小さいほど、より近くの山で成長した木材を沢山使用していることになります。

又、使用した木材の数量にその輸送距離を掛け合わせた数字(単位:km・m3)が、ウッドマイレージという指標ですが、我が国の輸入木材のウッドマイレージは、世界の中で飛び抜けて大きく、輸入量では日本を上回るアメリカの4.6倍=3840億km・m3に達しています。地球温暖化という視点にたてば、こうした木材輸入に伴うCO2の発生が異常を通り越して異様ですらあることは、歴然としています。その一方では、(協)エスウッドもその一員であるNPO国産材が繰り返し主張してきた通り、国産材の方は、使われないことによって森林の荒廃が進行しているのです。

ウッドマイルズ研究会の調査では、約38坪の木造住宅の木材輸送過程CO2発生量は、近隣150kmで産出された地域材を用いた場合で494kg・CO2、輸入材も含めた国内平均では
2857kg・CO2だということですから、発生量は2割以下に下げられるんですねー。
こうしてみると、ウッドマイルズという指標が、森林・木材・家づくりに関わる循環型経済の推進を考える上で、極めて大きな役割を果たすことができることがよく分かりますが、詳しくは、ぜひ同会のホームページをご覧ください。(http://www.woodmiles.net)

さて、フォーラムの第一部は、三澤文子さんの司会による、ウッドマイルズ研究会会長で日本建築士連合会会長でもある藤本昌也さんと、前述の藤原敬さん、そして大日本山林会副会長の箕輪光博さんの問題提起と座談会で、森林・木材・家造りを巡る最新の状況が伝えられました。

第2部は、「森林・木材・家づくり、連携の実践に学ぶ」と題した活動事例報告会で、「森想人(もりおもいびと)」鈴木直子さんの「神奈川の水源の森と都市をつなぐ活動」、つくばスタイル木の家クラブ事務局長の中村泰子さんの活動報告、岡庭建設の池田浩和さんの「東京家づくり工務店の会/東京森の木の家プロジェクト」活動報告、北海道美幌町耕地林務グループ主幹の澤田雅俊さんの「美幌発、低炭素な町づくり」報告、を聞くことができました。いづれも学ぶことの多い、素晴らしいレポートでした。

個人的には、岡庭建設の池田さんと、町の工務店ネットワーク公開セミナー以来2年ぶりの再会が果たせたことがとても懐かしく、又、北海道東北部を舞台として、坂本龍一さんや中沢新一さんらによる有限責任法人「moreTrees」とも連携しつつ、先駆的に持続可能な地域作りを展開している澤田さんの報告に大きな感銘を受けました。というのも、まだエスウッド事業がよちよち歩きのころに、LICC(ランバーピープルズ・インターネットコミュニケーションクラブ)の北端さんのお骨折りで、北見市で開かれたセミナーにパネラーとして参加したことがあり、丁度その折に、道東北部における森林組合の、FSC認証へむけての活発な準備活動についての報告を同席したパネラーの方からうかがったことを思い出したからです。
そのころに蒔かれた種が、今大きく花を咲かせようとしている事を知り、改めて大きな励ましをいただけたと感じています。  (角田 記)

*画像は、開会時の三澤先生、藤本会長、藤原代表運営委員、箕輪光博さん、美幌町報告時のスクリーンです。